株価チャートを使いこなすコツ②  値動きの「意味」を考える

 株価が際立った動き、目立つ動きをする時には重要な意味がある可能性があります。そうした動きを見つけたら、「どうしたんだろう?」と考えて、その値動きの原因や意味を考えてみるクセをつけましょう。

 

サブプライムショックの重大さを示した動き

 2007年8月の日経平均のチャートを見ると、それまで順調に描かれていた上昇トレンドが「ドスッ!」と音をたてるように崩れ始めている感じがします。

 もちろん、株価の下落が一時的でまた上昇トレンドに戻っていく可能性もあります。しかし、このように際立った下落の時には、その意味をよく考えてみる必要があります。

 この時はアメリカでサブプライムロ一ン問題が取りざたされていました。信用力の低い人たちへの住宅ロ一ンの貸し出しが課題になり、それが焦げ付き始めたという問題でした。

 当時はこの問題を巡って、「大変な問題だ」という意見と、「アメリカのごく一部の問題であり、全体には波及しない」という意見がありました。この当時は後者の意見が圧倒的に多かったのです。

 しかし、この値動きを見る限り、「やはりサブプライムロ一ン問題は、かなり重大な問題なのかもしれない」と予感することが可能だったと思いますし、改めてこの問題を深く考える必要性が感じられたでしょう。

 実際に、株価はこの後も下げ止まらず、翌年9月にリーマンショックが起きるまで経済情勢はどんどん悪化し、日経平均も6,000円台まで下げ続けました。

 

 

大成長を示唆した動き

 ファ一ストリティリング(9983)のチャートは、1998年8月、それまで静かな動きだったのに突然力強く上昇し始めています。

 この時、海外で大量に安く服を作って国内で安く売るという製造小売りのビジネスモデルによる新型店舗の1号店である「ユニクロ原宿店」がオープンし、それと同時に大プームが起こり始めました。この原宿店の大成功を皮切りに、ユニクロはあっという間に全国に拡大していきました。

 チャートの株価の力強い動きの背景にはそうしたことがありました。この値動きを見て、インターネットで調べたり会社に問い合わせたりして背景を突き止めれば、爆発的な株価上昇に乗れたかもしれません。株価はこの後2年でさらに30倍程度に上昇していきました。