株価チャー トを使いこなすコツ① トレンドを意識する
株価チャートを使うコツは、ここまで何度も述べて来ましたが 「トレンド」を重視すること、とりわけ「トレンドに逆らわない」ことです。
順張りと逆張り
例えば、A株の株価はきれいな上昇トレンドが続いて半年で2倍程度に、 B 株はきれいな下降トレンドが続いて半年で4分の1程度になっているとします。
では、この時点でA株とB株どちらにお金を投じようと思うでしょうか。
もちろん、実際に投資判断するにはこれだけの情報では足りません。どんなビジネスをしていて、業績はどうで、 PER はどうなのか••••••ということも知りたいところです。
しかし、ここはあえて株価チャートだけで、ここから投資するならどちらが良いかを考えてください。
どちらを選択する人もいると思いますが、その主な理由は
- A株・・・ 順調に上昇しているし、このままもっと上がりそう
- B株・・・値下がりしているので、お買い得になっている可能性がある
というところでしょう。
A株のように上昇トレンドの動きに素直に乗ろうという考え方を「順張り」 、 B 株のように大き<値下がりした株を買って回復を狙う考え方を「逆張り」といいます。
じつは株式投資で資産を増やし続けている人の中には、順張りを得意とする人もいますし、逆張りを得意とする人もいますので、 どちらも 「あり」です。どちらが正解ということを断言することはできません。
ただし、どちらがやりやすいのかという難易度の問題があります。
* 「トレンドに逆らうな」、「落ちてくるナイフはつかむな」というのは株式投資の世界で昔から言い遜がれている格言です。落ちてくる株をうまくキャッチすればカッコイイですが、それは志構危険なことだよ、という経験則をいっています。
順張り投資の方が難易度は低い
結論からいうと、順張りの方が逆張りよりも難易度が低い、ということが経験上いえます。
順張りで成功するのが比較的容易な理由は、
- 上昇トレンドが続く背景のあるケ一スが多い
- トレンドの転換点より、トレンドの継続を予測する方が簡単
- 失敗した時の認識がしやすい
などです。
トレンドには理由があり、才ーバーシュートもある
まず、上昇トレンドの銘柄について調べてみると、上昇トレンドが続く理由が見つかることが多いものです。業績が順調に拡大している途中で、PER面での割安さもまだ残っているということであればそのまま上昇トレンドが継続する可能性が高いのです。
それに対して、下降トレンドの銘柄には業績が悪化しているとか、PERが高すぎるなどなんらかの理由があるケ一スが多いものです。そういう株もいずれも底打ちして上昇トレンドに転換する可能性はありますが、その転換点を当てるのは難易度が高いのです。
というのも、株価にはオーバーシュートすることがしばしば起こるからです。オーバーシュートとは「行き過ぎる」という意味です。上昇トレンドの勢い余って最後にバブル的に上昇するとか、下降トレンドの勢い余って必要以上に下げてしまう、というようなケ一スです。
トレンド転換や失敗の認識がしやすい
もう一つ重要なポイントは、順張りは失敗した時の認識がしやすいということです。
順張り投資は上昇トレンドという点に目をつけて買うわけですから、上昇トレンドが崩れたような形になったら「上昇トレンドが終わったかもしれない」と認識できます。
それに対して逆張り投資は、「下がったから買う」という考え方なので、買った後に下がってしまった時の判断が難しくなります。この考え方でいくと、下がったらさらに魅力を感じてしまい、どんどん買い増しする心理に陥ってしまうからです。
その株が最終的に本格的に反転してくれれば、どんどん買い増ししても報われるのですが、想定以上に業績が悪化して株価が下落してしまうということになると、資産を大き<毀損してしまうリスクがあります。
株式投資で破たんする代表的なパターンとしては、このように、1つの銘柄にこだわって、それと心中する形で破たんしてしまうというケ一スが多いのです。 ですから、逆張り投資というのは、相当にファンダメンタルズ分析に自信がある時でない限りは行わない方が無難でしょう。
* 「株を割安に買う」というのと、「順張り投資」というのは一見矛盾するようですが、両立させることが可能です。それは、「株価はもう上がっているけれど、まだまだ割安感が大きい株を狙う」、「大きく下がって割安になって、株価が損ばいか上昇転換の形になった株を狙う」などと考えればいいわけです。