よくある質問と回答:信用取引は必要か?

質問
 信用残、日証金残のデ ー タをどのように投資に活かしたらいいのかよくわかりません。

 

回答

 これらの情報の基本的な見方はすでに述べた通りですが、買い残が増えると翌日以降の売り圧力に、売り残が増えると翌日以降の買い圧力になります。たとえば激しく乱高下した日の夜に日証金残を見た時に、融資残(買い残)が大きく増えて、貸株残(売り残)が減っていたら、この株を手がけている短期トレーダーたちの間には「明日は下がりそうだな」という予測が広がって、翌日はドッと売りが優勢な状態で攻防がスタートする可能性があります。ただし、信用残や日証金残は、あくまでも短期的な株価動向予測に使うための1つの材料に過ぎません。中長期投資にとってはほとんど必要ない情報ですし、短期トレードする場合にも必要不可欠な情報とまではいえません。たとえ短期トレードであっても、投資判断の材料としては株価トレンドの方が大事です。信用残はあくまでも補助的な判断材料と考えておいて良いでしょう。

 

 

質問

 リーマンショックの時のように経済状況が悪い時もあるので、やはり信用売りはやるべきでしょうか。

 

回答

 確かに、信用売りをすれば、相場が下げトレンドの時にも収益機会を見つけることができます。

 しかし、本来、株式投資というものは株を買うことで収益を求めるものですし、リスクとリターンの比率ではもともと買い手に有利なしくみになっています。人には得意や不得意もありますので、あえてしっくりこない手法を使うことはありません。「買い」の方で自信が持てる銘柄がある時だけ投資をして、そうでない時はウォッチすることに徹する、というのも立派な戦略です。ただし、何事も慣れや努力で克服できる、という面もあります。少しの金額で信用売りにトライして、ある程度慣れておくというのも、何かの際に役立つかもしれません。万一経済危機のようなことが起きた時に信用売りで培った感覚やノウハウが役立つことも考えられます。