PERによる2つの戦略
PERはだいたい15倍程度が標準的な水準です。しかし、その企業の利益の成長性などにより、妥当と思われるPERの水準は変わってきますし、売買の判断基準も変わってきます。そうしたことを考慮して2つの投資戦略を考えます。
戦略① 好業績株をPER10倍前後かそれ以下で買う
こちらは基本戦略といえるでしょう。とてもオーソドックスでわかりやすい戦略です。
業績トレンドが良くて、事業内容もわかりやすくて、なかなか良さそうなのにPERが10倍以下の銘柄を狙うのです。
標準的な水準と思われるPER15倍くらいに株価水準が修正されるのを期待する戦略です。
戦略② 高成長株をPER20倍前後かそれ以下で買う
高成長株(高成長が期待できる株)の場合、基準となるPERは変わってきます。
ここで高成長というのは、「利益が数年で2倍以上になることが期待できる株」と定義しましょう。数年というのはあいまいですが、だいたい5年くらいかそれ以内で、というイメージです。
高成長株は、1〜3年で利益が2倍以上になる株を急成長株、もう少しゆっくりの成長だけれど10〜20%程度の成長をしっかり続けて5年くらいで利益が2倍になる高成長株、といくつかの種類に分けられます。いずれにしても数年で2倍程度の利益になることが期待できる株のことです。
利益が2倍になるということは、PERは現在の一株益に対して標準的な水準の2倍の30倍くらいまで評価されてもいいのではないか、ということがいえます。
そうした株についてはPER20倍くらいまでで買って、PER30倍くらいまで水準訂正されるのを狙う戦略が有効だと考えられます。