標準偏差

 標準偏差とは、簡単に言えば値動きのブレの大きさを示すものです。この数字が高くなるほど、基準価格のブレが大きく、逆に数字が小さくなるほど、基準価格のブレは小さいということになります。

 

 

リスクとは将来の不透明性のこと

 「リスク」のことを一般的には「危険」と訳します。それは確かにそうですが、資産運用の世界におけるリスクは、もう少し別の意味合いを持っています。それは「不確実性」です。不確実なものだから、危険性があるということで、「リスク=危険」と捉えられている面もあるでしょう。

 投資心t区の基準価格も、組み入れ資産の値動きによって上下します。購入した投資信託の基準価格が、1年後も2年後も値上がりしているのか、それとも値下がりしているのか、だれにもわかりません。しかし、わからないにしても「この程度まで値下がりするリスクがある」という目安が分かっていれば投資信託の選び方も変わってくるはずです。そこで注目したいのが「標準偏差」です。

 標準偏差とは、データのちりばり具合を示したものです。投資信託の基準価格の場合、5年、10年というような、一定期間中の基準価格の騰落率平均に対して各年の騰落率がどの程度乖離しているのかを計算したものです。そして、標準偏差の数字が大きければ大きいほど、その投資信託の基準価格はブレが大きいことになります。つまりリスクが高いと言えます。

 例えば。過去5年間の平均的な騰落率が10%で標準偏差が15%という場合、この数字はこの投資信託の騰落率がおおよそ最高25%、最低▲5%の範囲でブレることを意味します。この15%の標準偏差のことを1標準偏差といって、この範囲に運用成績のブレが治る確率は68.25%になります。これでもそれなりに高いですが、投資の世界では常に「まさか」の事態が起こります。そのため、リスクを考えるときは1標準偏差ではなく、2標準偏差で考えておくのが良いでしょう。2標準偏差とは1標準偏差を単純に2倍にしたもので、前出の例を使えば、2標準偏差は30%です。つまりこの投資信託のブレは40%〜▲20%になります。2標準偏差の範囲に収まる確率は95.44%ですから、リーマンショック級の大暴落が起きてもその範囲に収まると考えられます。標準偏差モーニングスターのホームページなどで簡単に見ることができます。