持続性について考える-「定性分析」の話-
定性分析とは数字だけではとらえられない質的な分析のことであり、具体的には事業や経営の内容についての分析ということになります。それによって業績の持続性や成長性がどの<らいあるのかを考えます。
持続性・成長性 =独自の強み × 売上拡大余地
独自の強みは何か、を分析することが定性分析で一番大切なポイントです。今の事業が儲かつているとしても 、誰でも真似できるようなものであれば、どんどん新規参入が起きて競争が激しくなり利益が削り取られていくからです。ですから 、まずは、「その企業の独自の強みは何か」ということを常に考えることが大切です。
. 独自の強みというのは 、 別の言い方をすると 「真似しづらさ」であり、「参入障壁の高さ」ということもできます。
成長余地という点も考えてみましょう。
成長余地というのは 、 売上拡大余地といってもいいでしょう。
どんなに独自に強みがあっても、それによって売上を伸ばす余地がないとか、あるいは市場が縮小傾向にある、ということではその企業の投資魅力は小さくなります。
- 店舗の出店余地がどのくらいあるか(同業他社との比較などで)
- 製品やサービスの社会的な需要がどの<らいあるか
などを考えてみましょう。
一発屋的なヒットや特需などで業界が一時的に盛り上がっているような場合は、投資対象としては要注意です。
理想的なのは、独自の強みがあり、それによる売上拡大余地が莫大に残されているようなケ一スです。
*定性分析でなんといっても大切なのは「この会社の強みは何か」を考えることです。それと同時に、「投資家として自分の強みは何か」という点も考えてみましょう。それは、自分が普段接している事柄、好きな事柄、詳しい事柄などではないでしょうか。
自分にとっての「わかりやすさ」も大事
定性面でもうーつ大切なことは、その企繁が自分にとってわかりやすいかどうかです。自分にとってわかりやすい、なじみやすい、という企業でないと定性面の判断はしづらいものです。どんなに良さそうな会社でも、自分にとって理解しづらい会社に大きな金額を投貨するのは危険です。
自分が理解しづらい会社の場合、業績が悪化したとか、株価が急落したような場合に、それが一時的なものなのか重大なことなのかの判断がしづらくなります。一時的な要因による株価下落ならば「買うチャンス」になるでしょうし、重大な原因による株価下落なら「買いを見送る」という判断になるでしょう。投資家にとって大切な判断の局面において、「企業内容のわかりやすさ」が重要になるのです。
定性分析の力をつけるのはとても時間がかかりますが、興味に応じて、上場している企業や業界のことをコツコツ勉強してみましょう。それこそが投資家にとっての地力になります。
まずは、自分が詳しい業界・会社や親しみやすい業界・会社を分析対象にしていくといいでしょう。
詳しくはないけれど興味があるなら、少しずつ勉強しながら自分のわかる範囲を広げていく、ということも大切です。
そのためには会社四季報などで定期的に銘柄物色をしつつ、「この会社 ・業界は面白そうだな」というように興昧のアンテナを張り、その興味のアンテナにひっかかるようなテレビ番組や新聞記事などがあればその都度チェックしていく、ということを繰り返すことが必要です。
様々な業界の知り合いと、いろいろ話をしてみるのもいいことだと思います。とにかく、経済の流れは世の中の動きに興昧を持つことが大切です。
定性分析力をつけるための情報源
- インターネット検索
- 会社のホームページ
- 実際に店舗や商品を見てみる
- 利用者から評判を聞いてみる
- 会社説明会
- IRイベント(日経IR フェア、東証IR フェスタ)
- テレビ番組(ガイアの夜明け、カンブリア宮殿、未来世紀ジパング、ワールドビジネスサテライト、モーニングサテライト、がっちりマンデー など)
- 新聞、雑誌、テレビ
- 「日経テレコン21」で記事検索
*IRイベント
参加企業が投資家向け会社説明会をしたり、各社ブー スでミニ説明会や質疑応答などを行うイベント。日経新聞社や束京証券所などが開催する大きなIRイベントでは、数十社を一気にチェックすることも可能です。