理想的な投資スタンス、 個人投資家に有利な投資スタンス

 理想的スタンスは「長期投資」ですが、多くの個人投資家にとって優位性を発揮できるのは「小型株を対象にした中期投資」でしょう。

 

 

長期投資は理想だが難易度は高い

 歴史に名を残す成功を収めた投資家の多くは 、 長期投資により成果を上げています。その代表は世界の富疫ランキング上位の常連であるウォーレン・バフェットです。

 バフェットは、「一度買ったら10年旅に出てしまってもいいような銘柄を買うべし」という筋金入りの長期投資家です。そして、実際に、買った銘柄を数年、場合によっては数十年と保有し、数倍~数十倍というパフォーマンスを挙げています。

 ただし、長期投資は成功すれば何倍増ものパフォーマンスを得られる可能性がありますが、失敗すれば何分の1になってしまうリスクもあります。誰もが優良企業だと思っていた会社が、10年後にボロボロの業績になってしまうということもしばしばあるからです。

 

 

長期投資で成功するポイント

  • 5年、10年と長期にわたり成長し続ける優良企業を見極めること(定性分析)
  • その株価が「あまりにも割安だ」といえる水準を見極めること(PER、PBR)

上記の2つのポイントを見極めることが 、とても大切です。

 成長性は定性分析、割安さはPERやPBRなどの指標で見極めます。特に難しいのば定性分析による長期の成長性の見極めです。その企業が5年後、10年後にどうなっているかを見極める作業ですから、これはとても難易度が高いものです。

 バフェットはこの難しい作業を誰よりもうまくやっているので、誰よりも大きな成功を収めたのだといえます。

 長期の成長性を見極める力をつけるためには、自分にとって理解しやすい分野や企業を対象に、これまでの人生の経験を生かしつつ、時間をかけて知識や判断力を高めていく必要があります。

 以上のように、長期投資は究極的かつ理想的な投資法であるとともに、難易度が高く、経験を積みながら目指すべき境地であるといえるといえます。

 

 

個人投資家の強みを生かせるスタンス

  • 小型株を中心に
  • 5銘柄以上に分散し
  • 数か月程度の期間

という中期投資が、多くの個人投惰家にとってなじみやすく強みが生かせる投質スタンスではないかと思います。小型株とは一般的に時価総額1000億円以下の銘柄を指すことが多いのですが、個人投資家にとってより強みが発揮できるのは、時価総頷500億円以下のかなり規模の小さい銘柄でしょう。

 

 

小型株のメリット

 時価総額が数千億円を超えるような大型株には日本を代表する優良企業が多くなじみやすい感じもするのですが、 大企業は一般的に事業構造が複雑でわかりづらいという面もあります。また、大型株はプロ投資家が熱心に調査や投資をしていることが多く、掘り出し物の株は見つけづらいのです。

 ー方、 小型株はプロがあまり調査 •投資の対象にしておらず、優良株が割安に放置されていることが多くて比較的掘り出し物の株が見つけやすいものです。プロは投貸貨金が数百億円、場合によっては数千億円とかなり大きく、時価総額の小さい株を買いづらく、 証券会社では小型株を手がけられない規制があるケ一スも多いようです。個人投買家には投資する上での制約が全くありませんから、どんなに時価総額の小さい株でも良いと判断すればすぐに買うことができます。特に、時価総額100億円以下の優良な成長企業を見つけて投資すると、10倍、20倍という大化け株になる可能性もあります。

 

 

中期投資のメリット

 中期投資の最大の利点は、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方が程よく生かせるという点です。具体的にはファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の基本を組み合わせた方法が大きな効果を発揮します。長期投資ではファンダメンタルズ分析の中でも特に定性分析においてかなり高い判断力が必要とされますし、 短期トレードではテクニカル分析や株価の値動きの習性を見極める高度な判断力やセンスが必要とされます。

 どちらもなかなかハードルが高いのですが、 中期投資の場合には基本的な分析の組み合わせで大きく成果を発揮しやすいのです。個人投資家、特に初心者の投資家にとってはある程度ゆったり投資でき、リスクもある程度限定できるのが中期投資です。