リスク管理3カ条
リスク管理とは、投資が予想通りにいかなかった場合に備えたり、予想外の値動きになった時の対処法のことです。長期的に投資で資産を守り増やしていく上でとても大切なテーマです。
リスク管理三カ条① 1銘柄への投入資金は20%程度までに
銘柄分散が株式投資におけるリスク管理の基本です。
絶対的に自信のある銘柄があれば、それを1点集中で買うというのも一つの戦略だと思います。
しかし、普通は1つの銘柄に絶対的な自信を持つことはできません。できる限り調べて、考えて、かなり自信を持って投資できたとしても、絶対というレベルの自信を持つことはかなか難しいことです。投資には「万一」が付きまといます。どんなことがあっても資産を守る配慮をすべきです。そうした意昧で、1つの銘柄にすべてを注ぐのはリスク管理上好ましくありません。
1銘柄への投資金額の一応の目安としては、投資資金の20%以内というのが一つのメドだと思います。これならば 、仮にその株価が半値に急落しても、資産減少率は10%にとどまります。これはとても痛いですが、致命的とはいえないドローダウン(資産減少)です。
「銘柄分散」といいましたが 、 ある程度自信が持てる株が1銘柄しかないなら、 資金の20%以内をその銘柄購入に充てて、残り80%以上を現金にしておいてもかまいません。ですから 、 リスク管理の基本は「銘柄分散」というより「金額分散」という方が適切かもしれません。
リスク管理三カ条② 投資の理由を明確にする
株を購入したときの理由を明確にしておきましょう。購入をする際の理由としては 、
- 業績PER
- 株価トレンド
- 定性面の良さ
などがあります。
また、どのくらいまで上昇する可能性があるのか、ある程度イメージを考えておきましょう。できれば、2倍程度の上昇可能性のある株に投資するのが理想です。
投資理由のいずれかが崩れたら、基本的には速やかに損きり(利益が出ている場合には利益確定売り)をしましょう。
株式投資において、理由が明確でないまま株式を保有し続けるのは大変危険な行為だと認識しましょう。特に、株価が大きく上昇した後であれば、なおさら危険性は増します。
必要な場合に速やかに損切りできるようになるためにもあまり大きな金額を買いすぎないことと、購入理由を明確にしておくことが大切になります。
さらに 、 保有銘柄以外にも 「もっとお金があったら買いたいな」と思えるような有望な候補株(スーパーサブ)をいくつか用意しておくといいでしょう。そうした銘柄が頭の中で用意されていれば、保有株の雲行きが怪しくなってきた時に心理的にもスムーズに売却できるようになります。
利益確定のメド(目標株価)の考え方
よく寄せられる質問の一つが、「利益確定のメドをどう考えたらいいのか」ということです。
利益確定のメドは、PERかチャートによって考えます。
基本的には、「このくらいのPERになるだろう」と考えられるPER水準に達したら、それは大きな売却メドになります。
また、チャート的な節目(過去の高値やもみ合い水準)に来た場合や、目標値計算天井サインなども売却のメドになります。
なお、「株価の天井をピタリと的中させて、そこで売却したい」というのが多くの投資家の願望ですが、これは株式投資の最も難しいテーマです。株価の天井というのは投資家がヒステリックな状態でオーバーシュートして(行き過ぎの動きになって)形成されることが多く、合理的に予測できないことが多いからです。
株の利益確定メドの現実的な考え方は、PERやチャートの節目などで目標を考えて、「さらに上昇するかもしれないけど、自分はここで売る」というように、ある程度割り切って考える必要があります。