「業績」の見方の基本

 全上場企業の最新データをコンパクトにまとめているのが会社四季報です。「業績」の見方のポイントを、事例を使って説明します。

 

 

連結決算と決算期

 下の会社四季報のサンプルの左下部分の【業績】欄を見てください。

 「連」とは連結決算のことです。連結決算とは、子会社などグループ企業の業績を実態に合わせて連結した決算のことです。上場企業には子会社が存在するケ一スが多く、業績は連結決算を見て判断するのが普通です。

 会社によっては「連」ではなく「単」となっているものもありますが、それは子会社などグループ企業がなく、単体の決算という意味です。もちろん、その場合には単体決算のデー タを見ればいいわけです。

 「19.3」と表記されているのは決算期です。この場合、2019年3月期のことを意味します。この会社は3月決算の会社(3月に決算期末を迎える会社)だということです。

 「予」と書いてあるのは会社四季報による「予想値」であることを意味します。

 

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*親会社と子会社

 その会社の意思決定機関を支配しているのが親会社、支配されているのが子会社です。通常は株の保有比率50%超で親会社になりますが、30%台でも人的なつながりなどが強いと親会社的な約割を果たすことがあります。

 

 

損益計算の仕組み

 利益については何種類かあります。
 「営業利益」は本業による利益、 「経常利益」は本業を含めて継続的な活動からもたらされる利益、 「純利益」(会社四季報では単に 「利益」と表記されている)は税引後の利益のことを示します。

 そして、 「1株益」 とは、純利益を発行済株数で割って求めたものです。

 

 これら何種類かの利益のうち、その会社の収益トレンドをよく示すのは営業利益と経常利益です。

 純利益は 「特別損益」 という一時的かつ特殊な要因を含むことがあ り、 ときにその会社の収益力を反映しない数字になることがあります。ですから 、 私たち投資家 としては営業利益か経常利益のトレンドに注目してい<ことにしましょう。

 

 そして、 株価を 1株益で割ったものが PERとなります。
 一般的には今期の予想1株益を使って計算しますが、来期予想で計算したPERなども計算できます。

 今期予想PERが低くて、来期予想PERがもっと低くなっているのが理想的なパターンです。(1株益は高くなっているのに、 株価は割安な状態)

 

 

損益計算の仕組み

売上高

 ↓ -本業にかかったコスト(仕入 ・製造 ・販売 • 本部費用など)

営業利益

 ↓   ±本業以外の継続的な活動による損益(主に金利

経常利益

 ↓ ±特別損益(一時的で特殊な損益)

税引前利益

 ↓    -税金

純利益(税引後利益)

 

 

*業績はその他にも会社のホームページで閲覧できる「決算短信」 や、 証券会社のサイトで閲覧できる業績ニュースなどでも確認できます。

 

*税金について
税率は2016年時点で約32%です。最近は年々低下ぎみですが、今後も変更される可能性があります。

 

*株価は日々変動するので、PERも日々変動します。また、同じ株価で計算しても、今期予想の 1株益を使うのか、来期予想の 1株益を使うのかで PER は異なります。同じ株価で計算するなら、 1株益がアップするほと PER は低くなります。