定期的にリバランスをする

 リバランスとは、ポートフォリオのバランスを整えることです。複数のポートフオリオを長期的に保有していると、価格の上下によって、当初に比ぺて現状の組入比率が大きく異なるものになるケ一スがあります。そのままだと、当初のポートフォリオとは異なる性格のものになるため、定期的にリパランスを行うようにします。

 

 

リバランスの実際

 では、実際にリバランスがどういう状況のもとで行われるのかを、具体的な数字を示しながら考えてみましょう。 当初、次のようなポートフォリオを考えたとしましょう。運用資産の総額は1,000万円です。これを以下のような配分比率にしました。

 

  国内株式・・・250万円(25%)

  海外株式・・・250万円(25%)

       国内債券・・・250万円(25%)

       海外債券・・・250万円(25%)

 

 国内外の株式、国内外の債券という4つの資産クラスに、均等に資金を配分してあります。それが1年後、以下のようなポートフォリオになったとしましょう。

 

  国内株式・・・ 400万円(33.3%)

       海外株式・・・450万円(37.5%)

       国内債券 ・・・200万円(16.6%)

       海外債券・・・150万円(12.5%) 

 

 運用資産は1,000万円から1,200万円に増えました。ただ、カッコ内に書かれている投資比率をご覧ください。小数点2ケタ以下を切り捨てているので、厳密にすべてを合計しても100%にはならない点に留意してください。

    さて、当初のポートフォリオと現在のポートフォリオを比較したとき、債券に比べて株式の配分比率が非常に高くなっていることが分かります。このまま運用を継続すれば、当初のポートフォリオに比べて、過大な株価変動リスクを採ることになります。つまり、当初のポートフォリオに比べて、非常にリスキーな性質を持つようになっています。それでよいならば、そのまま運用継続ですが、そうでなければリバランスをする必要があります。

    現在のポートフォリオの評価額は1,200万円ですから、1資産につき25%の比率でポートフォリオを組む場合は、金額ベ一スだと300万円になります。したがつて、300万円を超えている分は解約する。逆に、300万円に満たない部分は、新たに買いつけることによって、リバランスをします。

 すると、以下のようになります。

  国内株式・・・300万円(25%)⇒100万円分を解約

       海外株式・・・ 300万円(25%)⇒150万円分を解約

       国内債券 ・・・300万円(25%)⇒100万円分を購入

       海外債券 ・・・300万円(25%)⇒150万円分を購入

 

 ちょうど金額的には、国内株式を100万円分解約して、国内債券を100万円分買いつける。海外株式を150万円分解約して、海外債券を150万円分買いつける。このような取引をリバランスと言うのです。

 

 

リバランスは年に何回行えば良いのか

    このように、リバランスは実際に資金を動かさなければならないため、手間が掛かります。したがって、リバランスの重要性は理解できていても実際には年に1回も行ったことがないという人もいるはずです。

    結論から言えば、リバランスはそれほど頻繁に行わなくてもよいでしょう。より具体的に言うと、年に1回程度のリバランスで十分です。これならば、リバランスを行っていない間に、マーケットの値動きからポートフォリオ全体のリスク・リターンが大きく影響を受ける心配もせずに済みます。

    ただ、年1回でもリバランスする手間が面倒という人もいます。そういう人の場合は、自分で複数の資産クラスに分散投資するのは、諦めたほうがよいでしょう。

    ただ、そうは言っても分散投資は必要なので、他の方法でリバランスをする余地を見つけます。

 一番良い方法は、グローバルバランス型の投資信託を買うことです。グローバルバランス型の投資信託とは、国内外の株式、国内外の債券、国内外のREITというように、あらかじめ決められた複数の資産クラスに分散投資しているものです。グローパルバランス型の投資信託なら、ファンドマネジャーが投資家に代わり、リバランスなど面倒な取引をすべて代行してくれます。