投資信託の申込単位

 投資信託の申込単位は、商品によって異なります。実際に投資信託を買うときは、目論見書を読むか、投資信託会社のウェブサイトのファンド検索で詳細を読んで、確認しましょう。

 

1口=1円?

 前述したように、多くの投資信託は1万円から購入するものでした。最近でこそ100円で買えるようになりましたが、今も主流は1万円からです。

 このように、最低い<らから購入できるのかを示すのが、「投資信託の申込単位」です。投資信託の申込単位は、1口=1円で1万口以上1口単位、というものもあれば、 1口=1万円で1万円単位、というものもあります。

 投資信託には、いつでも自由に購入できる「追加型」と、一度設定されたら追加購入ができない「単位型」があります。一般的に単位型の場合、1口=1万円で1万円単位というのが多く、異なる基準価額で常時、追加購入がある追加型の場合は、1口=1円で1万口単位というのが多いようです。

 単位型の場合、計算は簡単です。1口=1万円で1万円単位ですから、100万円分を買う場合は、100口分を買いつけることになります。ただし、単位型の場合、購入手数料が1万円に含まれるのが一般的ですから、たとえば購入手数料が200円(消費税は加味しません)だとすると、1口当たりの正味の購入金額は9,800円になります。

 これに対して追加型の場合は、日々、基準価額が変動しており、結果、1万円などキリのよい金額では割り切れないこともしばしばです。仮に基準価額が1万2,542円のときに貿ったとしましょう。この投資信託の申込単位が、単位型と同じように1口=1万円で1万円単位だとしたら、計算は非常にややこしくなります。

 

 もし手元にある100万円で買おうとしたら、

 

  100万円÷1万2,542円=79. 73210014

 

 というように端数が生じてしまいます。では、79口分を買えるのか、ということになりますが、そうすると、

 

  1万2,542円× 79口=99万818円

 

 ここでも818円分の端数が生じてしまいます。したがって、1口当たりの基準価額が1万2,542円のとき、端数が全く生じない金額はいくらになるのか、という数字を算出しなければなりません。でも、1口=1円で1万口以上1口単位だと、ほぼぴったりの額まで買いつけることができます。1万2,542円は1万口当たりの基準価額ですから、1口当たりの基準価額は、

 

  1万2,542円÷1万口= 1.2542円


 になります。もし、100万円分を買いつけるとしたら、

  

  100万円÷1.2542円=79万7,321

 

 つまり、79万7,321口が100万円で購入できる口数になります。1口当たりの基準価額が1.2542円で、それを79万7,321口分購入すると、金額では99万9,999円になり、ほぼ100万円分を買えることになります。

 

口数指定と金額指定

 追加型の投資信託を購入する際には、口数を指定するか、金額を指定するかのい ずれかによって、購入金額が計算されます。

 まず口数指定ですが、これは投資信託を購入する際、「〇〇万口を貿います」というように、口数を指定して注文することです。

 たとえば基準価額が1万口当たりの基準価額が1万1,800円だとしましょう。これを、仮に200万口分を買おうとした場合、お金はい<ら必要になるのでしょうか。

 これを計算するためにはまず、1口当たりの基準価額を計算します。 

 

   1万1,800円÷1万口= 1.18 

 

 つまり1口当たりの基準価額は1.18円ですから、これを200万口分、購入するとしたら、

 

   200万口× 1.18円=236万円

 

 以上の金額が必要になります。実際には、ここに購入手数料が加算されるので、さらに金額は上がりますが、口数指定で投資信託を購入すると、基準価額次第では、キリのよい金額にならない恐れがあります。

 

 これに対して金額指定は、「100万円分を購入する」というように金額を決め、それにほぼぴったりの口数を買いつけます。

 金額指定で投資信託を購入する場合の計算は、以下のようになります。投資金額は200万円で、1万口当たりの基準価額を1万1,800円としましょう。 まず、1口当たりの基準価額を求めます。これは1万1,800円を1万口で割れば、簡単に算出できます。

 

  1万1,800円 ÷1万口= 1.18円

 

 次に、購入金額である200万円を、1口当たり基準価額である1.18円で割ります。

 

  200万円 ÷1.18円= 169万4,915口

 

 これが金額指定で購入できる口数です。ぴったり200万円にはなりませんが、1口 当たり基準価額が1.18円で、購入できる総口数が169万4,915口だとすると、購入金額は次のようになります。

 

  1.18円×169万4,915口=199万9,999円

 

 ほぼ200万円です。ちなみに口数指定の場合もそうですが、購入金額に対して購入手数料が掛かりますから、実際に支払う金額は、200万円を購入手数料の分だけ超えてきます。

 

 ちなみに投資信託の積立投資をする場合は、例外なく金額指定になります。詳しくは後述しますが、投資信託の積立投資は、毎月定額が基本です。大半の人が「毎月1万円」というように、同じ金額で毎月積み立てています。逆に、もし口数指定で積み立てていたら、毎月、購入金額が変わってしまい、口座の管理が大変なことになります。そのため、投資信託の積立投資は、例外なく金額指定になるのです。