販売金融機関に口座を開設する

 投資信託を購入するためには、まず販売金融機関に口座を開設する必要があります。現在、投資信託の販売金融機関の主だったところとしては、証券会社、銀行、そして投資信託会社の直接販売があります。

 

 

インター ネット証券会社は品揃え豊富

 証券会社、銀行 、投資信託会社のいずれに口座を開設するかで悩む人は多いでしょう。投資信託の販売形態は 、 株式とは大きく異なります。株式の場合、どの証券会社に口座を開いても、同じ銘柄を売貿できます。たとえば 、 A 証券会社では トヨタ自動車の株式を売買できるけれども 、 B 証券会社では売買できない、などとい うことはありません。

 ところが、投資信託の場合はそれが往々にして起こりえます。いや、多くの投資信託がそういう販売形態です。

 投資信託の種類を販売ルートで分けると、 専用ファンドと公募ファンドに分かれます。専用ファンドは 、 特定の販売金融機関1社のみで扱う投資信託のことです。たとえば「A証券専用ファンド」などと 、 投資信託のデイスクロージャーなどに記載されています。これに対して公募ファンドは 、さまざまな販売金融機関を通じて販売されている投資信託のことです。

 どちらがよいのか、という点については 、 基本的なスタンスとして後者をおすすめします。なぜなら、特定の販売金融機関の経営破たんが生じたとしても、同じ投資信託を扱っている他の販売金融機関に口座を移管させれば、投資家側の運用には 、 ほとんど影響がないからです。

 また、販売金融機関はどこを選べばよいのかですが、現状、品揃えの豊富さから考えて、インターネット証券会社がおすすめです。というのも、投資信託を購入するうえでよい条件が整っているからです。 まずコストの安さ。一般的に、証券会社や銀行が販売金融機関の場合、購入手数料が掛かります。購入代金に対して2%程度ですが、購入金額が大きくなったり、購入・解約の回数が増えたりすると、この2%が効いてきます。

 インターネット証券会社の場合、多くの取扱商品で、購入手数料を取らないノーロ一ド型を採用しています。 コスト意識の高い投資家にとって、とてもありがたいことです。

 次に品揃えですが、インターネット証券会社はかなりの本数を取り扱っています。選ぶのが大変という意見もありますが、品揃えがほとんど無かったら、選びようがありません。しっかりと選び方を学んだうえで、豊富な選択肢から最適なものを選ぶようにしましょう。

 

 

直接販売(直販)もある

 そして、もうひとつ販売ルートとして注目しておきたいのが直接販売です。これは、投資信託会社が、自社運用の投資信託に限定して、自分たちが直接、投賣信託を販売するというものです.

 直接販売が解禁されたのは、今からかれこれ20年以上も前のことです.この当時は証券会社など販売金融機関が絶大な力を持っており、投賣信託会社は販売金融機関の言いなりでした。

 本来なら、販売金融機関を介さずに投資信託を直撞販売できるので、購入手数料のような、これまで販売金融機関に対して負担していたコストを省けるはずですが、そうなると、購入手数料を取って販売している販売金融機関は劣勢に立たされる恐れがあるという理由で、特に大手金融グループに属する投賣信託会社は、投賣信託の直接販売に力を入れようとしなかったのです。

 それに風穴を開けたのが、どの大手金融グループにも属さない、いわゆる「独立系」と言われる投資信託会社でした。こうした独立系の会社は、大手金融グループに属する投資信託会社のように販売ルートが整備されていなかったため、自力で自社運用の投資信託を販売し、プロモーションまで行う必要があったのです。 ただ現状の直接販売の販売動向を見ると、なかなかテイクオフできないのが現状です。投資信託協会が発表している「販売業態別の純資産総額」で、私募を除く公募投資信託の純資産総額を見ると、2017年11月時点のそれは8,379億7,100万円で、全体に対するシェアは0.77%です。

 なお、他の金融機関の純資産総額とシェアは、以下の通りです。

 

  証券会社 ···79兆6,334億1,800万円(73.08%)

   銀行等 …8兆4,973億1,300万円(26.15%)

 

 これを見ても、投資信託は圧倒的に証券会社を通じて販売されている金額が大きいことが分かります。

 

 

口座開設の手続き

 インターネット証券会社の場合、口座開設の手続きはインターネットですべて完結します。

 口座を開きたいインターネット証券会社のホームページにアクセスし、口座開設ボタンをクリックすると、個人情報を入力するフォーマットが現れます。本人確認書類も、かつては郵送する必要がありましたが、今はスマートフォンで書類を撮影してアップロードすれば、それで終わりです。これらの手続きが済むと、数日後には登録住所にIDとパスワードが郵送されてくるので、それを入力してログインすれば、口座開設の手続きは完了です。

 普通口座を保有している銀行で投資信託を購入するには投資信託口座を開設する必要があります。開設の手続きは取扱をしている店舗とインターネットで行うことができます。店舗では窓口で手続きができます。インターネットではウェブ上で手続きするものとウェプで申込書を請求し郵送で行うものがあります。

 あとは開設した口座に入金して、注文を出すだけです。
 投資信託の最低購入金額は、かつては1万円というのが相場でしたが、今ではインターネット証券会社を中心にして、徐々に小口化が進んでいます。積立投資であれば、月々100円から購入できるサー ビスも登場しています。ここまでくれば投資そのもののハー ドルはほとんどないといえるでしょう。