REITファンドとETF

 REITを活用して投資できる不動産は国内だけにとどまりません。REITファンド(不動産投資信託)を購入することで、少額からアメリカをはじめとする世界各国の不動産に投資をすることが可能になります。

 

 

海外の不動産に投資できる「REITファンド」

 J-REITはその名の通り、日本の不動産を対象にしていますが、広く世界を見渡し たときに、「海外の不動産市場の成長の波に乗りたい」と思う人もいるかもしれません。そういった場合に選択肢となるのが「海外REITファンド」です。

 ここで言うREITファンドとは、J-REITのような上場投資信託そのものではなく、一般の投資信託で、不動産を投資対象とするものを指します。

 とは言っても、こうしたREITファンドは、J-REITのようにそのファンド(投資法人)が直接、不動産を保有しているわけではありません。アメリカのREITシンガポールREITといったように、世界各国のREITに間接的に投資することで、海外の不動産に幅広く投資ができる仕組みになっています。

 海外のREITには本来、それぞれ国ごとに異なるルールや仕組みがあります。個人投資家がそれらをひとつずつ理解して投資をすることは、語学力や知識のうえでなかなか難しいのが現実でしょう。しかし、REITファンドを通じてであれば、当然、説明も日本語ですし、必要な情報がまとめられているので安心です。

 また、購入の流れや方法についても、一般の投資信託とまったく同じです。証券会社や銀行のラインナップに加わっていれば、NISA口座やiDeCoをはじめとする確定拠出型年金での投資先としても選択することができます。 ただし、国内REITと異なり、為替変動リスクがある分だけ値動きは大きくなりがちですので、この点には注意が必要です。

 

 

J-REITで運用するETFを購入するという方法も

 「国内不動産全体の上昇に期待したい」「どのJ-REITを選んだらよいか分からない」という場合には、国内のJ-REITを対象としたREITファンドに投資するのがよいでしょう。

 また、ETF (上場投資信託)の中にも、J-REIT全体の動きを表すインデックス指数である「東証REIT指数」に連動するタイプのものがいくつもあります。このETFを購入すれば、J-REIT同様、株式のように取引できる機動力を持ちながら、不動産市場全体の値動きに追随することが可能になります。 また、国内だけでなく、オ ー ストラリアの不動産市場の動向を表すインデックス指数である「S&P I ASX200 A REIT指数」に連動するETFなどもあります。 なお、J-REITの投資口当たりの価格は、安いもので5万円程度、20万から40万円ぐらいがひとつの目安となります。これに対し、REIT指数に連動するETFの場合、多くが1万から2万円程度で購入可能です。こういった必要金額の低さも、ETFを活用することのメリットのひとつといえるでしょう。