アクティブ型とパッシブ型

 投資信託を運用手法の違いで分類すると、アクティブ運用とパッシブ運用に大別できます。アクティブ運用は市場の平均的なリターンを上回る運用石石を目指すもの、パッシブ運用は市場の平均的なリターンを目指すものです。

 

アクティブ運用が市場平均を上回るとはかぎらない

 パッシブ運用の代表的なものが「インデックスファンド」です。日本株式であれば、日経225平均株価や東証株価指数TOPIX)などが代表的な株価インデックスになりますが、これらは基本的に市場の平均値を示しており、それにできる限り連動した運用成績を目指そうというのがパッシブ運用の投資信託です。

 インデックスの種類はたくさんあります。株式市場のインデックスだけでも、前述した2つだけでなく、例えばニューヨーク・ダウやS&P500といった米国を代表する株価インデックスもありますし、MSCIコクサイといった世界先進国の株式市場の平均株価を反映するタイプもあります。

 また、海外の債券市場の動向を示す債券インデックスや、コモディティ(商品)市場の動向を示すコモディティ・インデックスもあります。この手のインデックスは、一般的にインデックス・ハウスなどと称されるところが企画、計算して公表しています。

 パッシブ運用の投資信託は、投資心t買う会社が違ったとしても連動目標となるインデックスが同じであれば運用成績に大差はつきません。運用担当者の能力によるあたりハズレがないのが、パッシブ運用のメリットです。

 

 では、市場の平均的なリターンを上回る運用成績を目指すアクティブ運用はパッシブ運用の運用成績を上回ることができるのでしょうか?

 これについては様々な議論が行われていますが、基本的に長期的な運用成績を比較するとアクティブ運用はパッシブ運用に勝てないと言われています。理由は以下の2つが考えられます。

  • アクティブ運用はパッシブ運用に比べてコストが割高
  • ファンドマネージャーの判断が常に正しいとは限らない

 アクティブ運用の場合、市場平均を上回るリターンを実現するため、綿密なリサーチが行われます。この経費は信託報酬に含まれているのものですが、一般的にアクティブ運用の信託報酬はパッシブ運用のそれを上回ります。年率に換算すれば1〜2%程度ですが、長期運用を前提にすると、それが積もりに積もってパッシブ運用の運用成績と彼我の差が生じてしまうと考えられます。

 また、アクティブ運用はファンドマネージャーが銘柄選択、投資タイミングなどを判断しますが、常にその判断が正しいとは限りません。判断を間違えれば損失に繋がります。こうしたロスが運用成績にとってマイナス要因となり、アクティブ運用はパッシブ運用に対して絶対的に優位ではないと言われる理由です。

 

*アクティブ運用でポートフォリオを組むに際しては、2つのアプローチがあります。一つはトップダウン・アプローチ」で最初にマクロ経済分析を行い、株式と債券に何%ずつというように資産クラスの配分比率を決めた後、それぞれの資産クラスでどの銘柄に投資するかを決めるというものです。これに対してボトムアップ・アプローチ」は、マクロ経済は基本的に考慮せず、個別銘柄のファンダメンタルズ分析を行なって、投資対象銘柄を積み上げていくというものです。どちらが優れているのかを判断することはできませんが、一般的にアクティブ運用型の投資信託ボトムアップ・アプローチを用いるケースが多いようです。

 

 

優れたアクティブ鵜方を選ぶのは困難

 とはいえ、実はパッシブ運用を上回る成績を収めている開くてジブ運用があるのは事実です。全てのアクティブ運用の運用成績がパッシブ運用のそれに劣後しているわけではありません。アクティブ運用でパッシブ運用を上回るパッシブ運用を上回るものを購入するためにはファンドマネージャーにパッシブ運用を上回る力量があるかどうかに加え、投資家がその力量を持つファンドマネージャーかどうかを見極める必要があります。この2つの評価軸をクリアしなければならないため、やはりアクティブ型の投資信託を選ぶのは難しいと言えます。