国内型と海外型

 投資信託は国内マーケットだけでなく、海外のマーケットにも投資できます。株式や債券などの資産クラスの分散だけでなく、海外のマーケットに投資する投資信託であれば、地域分散も容易に行えます。

 

先進国だけでなく新興国にも投資できる

 投資信託の特徴の一つは日本にいながらにして世界中の株式や債券に投資できることです。これは投資信託会社の「属性区分表」を見ればわかります。同表の「投資対象地域」には、日本、北米、欧州という先進国に加え、アジア、中南米、アフリカ、中近東などの新興国も含まれます。これだけ見ても日本国内で設定運用されている投資信託を使えば、日本だけでなく世界中の株式や債券に分散投資できることがわかります。それに加え、世界中に分散投資できるグローバル、複数の新興国に分散できるエマージングなどの区分もあり、実際、それらの複数の国に投資するタイプの投資信託もあります。

 どこの国をエマージングとするかは難しいですが、ブラジル、ロシア、インド、中国の「BRICs」やベトナムインドネシア南アフリカ、トルコ、アルゼンチンからなる「VISTA」などがエマージング諸国として扱われることが多いようです。これらの国の特徴として、労働力の豊かさと自然の豊かさがあり、これらの条件が整っていいることから、今後の経済成長が期待できるというわけです。

 投資信託の良さは少額の投資資金で分散投資ができることです。この「分散」も、株式や債券、不動産、コモディティというように異なる資産クラスへの分散だけでなく、前述したような、様々な国や地域の株式、債券、不動産などへも投資できるので、資産クラス分散に国別・地域別も合わせれば、さらに分散効果を高めることもできます。

 

BRICs

有力新興国とされるブラジル、ロシア、インド、忠吾奥の頭文字をとった造語。アメリカの証券会社ゴールドマン・サックスが2003年の投資家向けのレポートで使用したのが始まり。sを南アフリカとする場合もある。

 

 

新興国投資は流動性に注意

 このように、日本をはじめとする先進国に加え、新興国への投資もできる投資信託ですが、新興国の株式や債券wpl海入れて運用される投資信託を購入する際には「流動性リスク」に注意する必要があります。

 流動性リスクとは買いたいと思っても買えない、解約したいと思っても解約できないリスクのことです。たとえば、現金が必要になり、保有している投資信託を解約しようと思っても投資先の新興国市場が金融不安などによって大混乱に陥り、買い手が全くいなくなってしまうケースがあります。買い手がいないのですから、投資信託に組み入れられている株式や債券を売却したくてもできなくなるわけで、kのような時は解約中Jもん自体が受け付けてもらえなくなるケースがあります。

 新興国への投資は時として大きなリターンにつながる可能性があります。ただし、大きなリターンが期待される反面、新興国の株式・債券は値動きが大きいため、値下がりした時のリスクも大きくなりがちです。しかも新興国は政治的・経済的に基盤が脆弱な国が多く、混乱によって株価などが暴落するケースもあります。したがって、ポートフォリオ新興国を加える時は、投資資金の一部にとどめておくようにすべきです。