投資信託は資産形成への強力な武器

 投資信託は、「少額の資金」で「世界のあらゆる投資対象」に投資でき、しかも、じっくりと「長期投資」を実践できれば資産を守りつつ大きな資産を築くことができる魅力的な金融商品です。

最初から大きく儲けることは難しいですが、FXや個別株にいきなりチャレンジするのではなく、投資信託で投資の仕組みを学び、資産の基礎を築いた上で他の投資対象へと手を広げていくことが、現代の投資の王道だと思います。

 

多くのブログや書籍で、「こうすれば初心者は大丈夫!」といった類のフレーズが飛び交いますが、「なぜそう言えるのか」を理解しないことにはいつまでたっても成長はありません。

 

この記事では私の忘備録も兼ねて、投資信託の基本について、考えていきたいと思います。

 

 

金利時代は定期預金よりも投資信託で積み立て

 個人投資家にとってメリットの多い投資信託ですが、具体的にどういうことなのでしょうか?

 

 2019年6月に金融庁が発表したレポートが話題になりました。「人生100年時代において、老後の蓄えは年金以外に2000万円必要」というものです。

www.fsa.go.jp

 

 レポートそのものも一読の価値はあると思いますが、非常によく練られたレポートだと思います。国のトップエリートたる官僚たちが本気で作ったのでしょう。票厚真が得意なだけの国会議員には否定されていますが、このレポートが今後の資産形成において、重要なデータになることは間違いありません。

 

 では、2000万円では少し心許ないので、3000万円を30年間で蓄えるにはどうすればいいのか、考えてみましょう。低金利時代の今、残念ながら定期積立預金の金利はほぼ0%です。3000万円貯めるためには、30年間毎月8万3333円を積み立てなければなりません。年率1%の定期預金に運良く出会ったとしても、毎月7万2222円の積立が必要です。簡単に毎月積み立てられる額ではない方が多いと思います。

 しかし、投資信託を理解し、「国際分散投資」と「長期投資」を実践できれば、年率5%程度の運用も可能です。そうすると毎月3万7000円を30年間積み立てることで3000万円に到達します。これが投資信託の魅力です。

 

 

プロのスキルを利用して効率的に資産形成

 最近は投資信託を利用して若くして大きな資産を築く人が増えています。投資信託は洗練されたプロにより痛く運用されています。若くして大きな資産を築く人たちはできるだけ若いうちから投資信託の知識を身につけ、プロの力を活用しつつ、運用をスタートしている人たちです。投資信託で身につけた基盤を生かして、応用させていくことで運用効率は加速度的に上昇します。

 また、年金世代にとってもこれまで蓄えたお金を減らさずに生活していける投資信託の利用はとても理にかなっています。

 

 

国策に売りなし

 投資信託は国からも推奨されている金融商品であることは周知の通りです。NISAやつみたてNISA、iDecoといった制度は明らかに投資信託をイメージして作られています。投資の世界では「国策に売りなし」という格言があります。国の指針、方針に沿った投資を行うことが良い結果につながるという意味です。このような制度を利用しない手はありません。

 このような制度のおかげもあってか、投資信託の選択の幅は広がり、以前よりも格段に数は増えています。20年ほど前までは投資信託といってもあまり選択肢がありませんでした。今私たちに求められているのは、投資信託を正しく理解・選択し、管理していく能力です。

 とはいっても、国の制度の中で投資対象を選んでいくとき、基本的には選ぶべきものは決まりきっています。大切なのは必ず訪れる暴落時や、築き上げた資産を活用していく際にどのような出口戦略を考えるかです。全員が同じような商品を選択し、積み立てていくにも関わらず、結果には必ず差が出ます。つみたて投資は始めること自体は難しいことはほとんどありません。

 

「自分の投資にどのようなゴールを見いだせるか」が成功するか否かの分かれ目だと思います。

 

 私の投資信託のゴールは

老後に必要な蓄えを確実にしておくこと

に尽きます。

 

 投資信託で配当収入を得てアーリーリタイヤなどは不可能だと思います。

ただ、節税効果や優遇制度を利用しながら最低限の蓄えをしていけるという制度は大切なセーフティーネットです。

 

 投資を始めるにあたって基本中の基本の投資信託ですが、ここが疎かでは他の投資もすべて投機になってしまいます。