信用取引注文の種類

 信用取引の注文には、新規買い、新規売り、返済買い、返済売り、現引き、現渡しの合計6種類あります。それぞれどんなものなのか見ていきましょう。

 

「新規か返済か、買いか売りか」で4種類

 信用取引の注文というのは基本的には4種類あります。

 新規買いというのは新規に買い建てることであり、「信用買い」と呼ばれる取引です。信用買いで買い建てた玉を清算する取引が返済売りです。買い建てていた株を売却することです。その売却代金を返済に充てます。

 売却代金が買い建てた金額より多ければ差額が利益として受け取れますし、足りなければ委託保証金から差し引かれます。

 以上のように、通常は、新規買いと返済売りが一連の取引でセットになります。

 

 ー方、新規売りというのは新規に売り建てすることであり、一般的には「空売り」と呼ばれる取引です。株を証券会社から借りて売ってしまう取引です。

 売り建て玉を清算する取引が「返済買い」です。株を借りて売っていた分を買い戻して返済する、という取引です。

 新規で売り建てた時に得た代金と、返済買いした時に支払った代金の差額がプラスの時には利益として受け取れますし、足りなければ委託保証金から差し引かれることになります。

 

 

現引きと現渡し

 信用取引建玉清算方法としては、現引きと現渡しという方法もあります。

 現引きというのは、信用買いしている建玉を、現金を支払って現物株として引き取ることです。一度現物株として引き取ると、それ以降は品貸料もかかりませんし、決済の期日も来ません。ずっと現物株として保有し続けることが 可能です。

 株を買った時には現金が足りなくて信用取引で買ったけど、そのあと現金ができたので現引きする、という場合に使います。

 

 現渡しというのは、空売りしている建玉を、現物の株を渡すことで清算することです。 なんらかの理由で後から株が口座に振り込まれてくる場合や、間違って同じ銘柄を売り建て玉と現物株の両方を持ってしまった場合などに、こうした清算方法が使えます。 

制度信用取引と一般信用取引

 信用取引には制度信用取引一般信用取引の2種類があります。そのメリットとデメリットを見てみましょう。

 

信用取引をするには「信用取引口座」の開設が必要

 信用取引をするには、証券会社に口座を開設した上で、さらに「信用口座」開設の手続きをする必要があります。証券会社のサイト上から、または電話で申し込みをして、所定の書類をやりとりして口座開設します。口座開設したら、それ以降信用取引の注文が可能になります。

 「信用口座は、今は使わないけどとりあえず開設しておく」というのも一つの考え方かもしれません。

 しかし、信用取引口座を開設すると、信用取引の注文が出せるようになってしまいます。そうすると、「誤発注」のリスクが出てくることも忘れてはなりません。 300万円の自己資金の中である株を50万円分買おうと思ったら、1ケタ間違って500万円買ってしまった、というような誤発注をしてしまうと大変です。 ですから、そうしたリスク管理をきっちりする自信がないなら、「信用口座を開かない」というのも一つの立派な考え方だろうと思います。

 

制度信用と一般信用

 信用取引には制度信用取引と一般伯用取引の2種類あります。

 制度信用というのは、取引所が定めたルールにのっとって行われる信用取引のことであり、最大の特徴は決済の期日が半年以内と定められていることです。

 もう1つの一般信用取引は、証券会社が個別に定めたルールによって行われる信川取引であり、決済期日がありません。信用取引で買い建てた株(買い建玉りや売り建てた株(売り建玉)を無制限の期日で維持することができるので無期限信用取引とも呼ばれます。

 ただし、制度信用の方が金利や株の品貸料などのコストが安いために、一般的には制度信用が多く利用されます。 しかし、制度信用では空売りできない銘柄が一般信用ではできるケ一スなどもあり、信用取引を利用する人はこの2つの取引を使い分けると便利です。

信用取引の4つの特徴

 株式の取引は通常の取引である「現物取引」のほかに「信用取引」という取引の仕組みがあり、短期トレーダーを中心に盛んに使われています。その概要を説明します。

 

 

特徴① 自己資金以上の取引(レバレッジ取引)ができる

 自己資金の範囲で株を買ったり、買った株を売ったりする通常の取り引き「現物取り引きといいます。

 それに対して「信用取引」というのは、証券会社からお金を借りて株を買ったり(信用買い)、株を借りてそれを売ったり(信用売り、空売り)する取引です

 自己資金に対して最大3.3倍の取引ができる仕組みになっており、これをレバレッ

ジ取引といいます。レバレッジとは「てこの原理」を働かせるということですが、信

用取引では通常3.3倍のレバレッジを効かせられることになります。証券会社によ

ては、最大のレバレッジ率がそれより低く設定されている場合もあります

 当たり前ですが、レバレッジ3倍かければ、リターンもリスクも3倍になります

信用取引で株を買うことを「信用買い」といいますが、信用で自己資金の3倍の株を

買って30%株価が下落すれば90%の損失になり、元本はあっという間に10 分の1 に

なってしまうこともあります。

 

 

特徴② 信用売り(空売り)で下げ相場もチャンスにできる

 信用売りとは.株を借りて売ってしまう取り引きのことです。持っていない株を売るので一般的には空売り」と呼ばれることが多いものです。

 空売りの場合には.どこかの時点で株を買い戻して、その株を返済して取引が完了します。偕りた株を返済するために買うことを「返済買い」といいます。い戻し

ということもあります。

 たとえば、A株を1,000円で空りして、500円で買い戻しできれば.、500円のサヤ

が取れます。現物取引と売買の順序は逆ですが、「値幅の差で儲ける」という点は変

わりません。

 空売りができれば.株価下落が予想される時の投貨戦略が広がります。

 現物取引だけの場合.株価下落想され

  • 持株を売る
  • 買いタイミングを待つ

という2つの戦略しか取れませんが.信用取引ができれば、空売りによって下落する

値動きで積極的に利益を狙うことが可能になります。

 

 

特徴③ 日計り取引が無制限にできる

 同銘柄を同じ日に売貿することを「日計り取引」といいますが、現物取引では

1日でできる日計り取引の回数が制限されています。

 たとえば、自己資金100万円で現物取引する場合

  ① 100万円の株を買って、その日のうちにそれを売却する

  ②保有している100万円分の株を売って、その日のうちにその株を買い直す

というところまではできます。

 しかし、①の場合、売却代金でその日にもう度同じ株を貿うという取引はでき

ませんし、②の場合その株をその日のうちに売却する、という取引はできません。

 別の銘柄を買ったり売ったりする取引は「ルプ取引」と呼ばれ、これは可能です。銘柄をどんどん変えていけば、何度でもルプ取引ができます。ところが1銘柄の売買については1日のうち「買い→売り」か、「売り→買い」の1回転までしかできないのです。

 資金が200万円あるなら、同銘柄で100万円の売買は2回転できますがそれ以

上はできません。

 しかし、信用取引ならばこうした回転売買の制限がありません。

 

 

現物取引で可能な取引

100万円の資金でA株を100万円分取引する場合

A株の買い→A株の売り(この日、これ以上A株の取引はできない)

A株の売り→A株の買い(この日、これ以上A株の取引はできない)

※資金が200万円なら、この取引を2回転できる

 

A株の買い→A株の売り→B株の買い→B株の売り→C株の買い ••

(ルプ取引)

 

 

信用取引なら

A株の買い→A株の売り→A株の買い→A株の売り→A株の買い ・・・・・

が可能に

 

 

特徴④ つなぎ買いつなぎ売りができる

  1. 今はお金が足りないけど、あと何日かたてばお金が入ってくる。でも、今の値段でその株を買いたい
  2. あと何日かたてば株券が口座に振り込まれるが、今の値段でその株を売却したい

という場合にも信用取引は役立ちます。

 

 1.のケ一スでは、信用取引で株を買っておき、お金ができたところでお金を支払っ

て、その株を現物取引として引き取ることができます。これを現引きといいます。

 2.のケ一スでは信用取引で株を売っておき、株券が口座に振り込まれた段階で株

券を引き渡すということができます。これを現渡しといいます。

よくある質問と回答:成行注文は必要か

質問

 先日、ある株に指で買い文していたら、ぎりぎりえないまま上していってしまい悔しい、思いをしましたやはり、どうしてもいたい時には成行注文がいのでしか。

 

 

回答

 成注文はいらで約定するかわからないという怖さありす。しかし、どうしてもすぐに買いたいとか、どうしてもすぐに売りいという場には、やはり成行文がいいでしょう

 気配情報を、売り注文の板が厚いなら(り注がたくさん出ているなら)、成行注文でもあり問題はないといます。

 しかし、薄い(文が少ない)状態の時には、思わぬ高値で貿ってしまうこともあります

 気配情報を確した時に存在した売り注文が、自分の買い注文を流した直後に消えてしまう、というこもあります他の投資にタッチの差で買われてしまったとか、売り注文が引っ込められてしまっいうことは多々起こることです。

 そしたことも踏まえて、板が薄銘柄にいてはある程度の高値賀ってもいい、という場合だけ成行注文にしましょう

 しかしほとんどのでは、買いについてはあまり慌て必要はいと、思います。自分納得でき値段で指値をしてじっくり待っ買う、というやり方を基本にする方がいいでしょ

 もちろん、買逃した株が上ってまうこともあるでしょう。しかし、失敗した場合にはできるだけ安くっている場合の方が精神的にも処理やすなります。失敗した場合のことも考えておくべきで

 買い損なて上がってしまった場合には、「今回は緑がなかた」と割り切ようなゆたりした姿勢も必要だと思います

その他の自動売買

 逆指値以外にも様々な自動売買を用意している証券会社もあります。その主なものを紹介します。

 

 

W指値ツイン注文、通常注文付逆指値

 「1,000円まで下がったところで買いたいけど株価が予想に反して上昇1,050円を超えて1,060円をつけたら乗り遅れないように買いたい」という場合に対応する注文方法です。

 この場合「基本的には1,000円の指値で買えるのを待ちながら1,060円をつけたら逆指値で成行買いに変更する」などのように注文します。

 

Uターン注文、リバース注文

 「1.000円で買って1,050円で売る」という戦略を考えた時にその注文を一度で出せる注文方法です。「1,000円の指値の買い注文」が約定したらその後自動的に「1,050円の指値の売り注文」が発動されます。

 

リレー注文連続注文

 「A株が1,050円で売れたらその代金を使ってB株を1,000円で買いたい」という時に使える注文方法です。

 まずは「A株を1,050円の指値で売り」という注文が発動され、それが約定すると自動的に「B株を1,000円の指値で買い」という注文が発動されます。

 

トレーリングストップ

 トレーリングストップは近の高値からXX円たら売る」といトレード戦略です。

 たとえば1,060円でった株について値から50円がったら売る」という戦略を考えてみましょう。この場合、株価が1,200円までつけたら1,150円まで下がったところで売ることになります。

 1,150円まで下がらずに高値が1,300円に更新したら度は1,250円までがったら売ることになります。

 このように高値を更新するたびに逆指値売りのポイントを上げていくことで上昇する動きを追いかけていく戦略です。そしてこの逆指値を引きげる作業を証券会社のコンピューターが自動的にやってくれるシステムが「トレーリングストップ」という名前で提供されています。

 

 

 そ他の注文方法はカプドットコム証券やマネック証券などのサイトで研究しみてください

W指値U注文リレー注文はカブドトコム証券の登録標で

 

逆指値を使おう

 株でも物でも何か買う時は普通は「xx円までならいたい」と考えますが、の場合には「xx円のラインを越えたら買いたい」と考えるケスがありますそれに対応する注文方法である逆指値について見ていきましょう。

 

 

指値注文を使う意義

 一定の範囲で上下動する動きを続けていaって、bで売る」という戦略が考えられます。この場合には通常の指値注文使うことができます。

 しかし、もみ合い抜け出ポイント(c地点で買うというのも、株式投資では定石的な考え方です。経験上新しい上昇トレンドが発生した可能性が高いと考えらるからです

 この場合は、もみ合いの上限を突破してc地点まで上昇たので買う、というような考え方になります。「xx円まで下がってきたから買いうのとは根本的に違う考えです

 この考え方や戦略に対応した注文方法が逆指値注文です。注文画面を見ていただくわかますが、xx円以上になったら」という条件がついていますこの条件が達せられるまではこの注文は証券会社のコンピューターに保留されている状態になりますしかし、この条件が達せられればその下で入力した内容の注文が自動的に発動されることになります

 このように、設定した条件を満たしたら自動的に注文が発動されるシステムを「自動売買」といいます。その「逆指値注文」なのです。

 

 

 

  逆指値使うとで、日中の値動きを見られない投資家リスク管理ができるようになります。

注文の出し方

 ここまで、株の取引の仕組みやルールについていろいろ学びました。今度は、実際に株の売買注文を出す手順を見てみましょう。

 

 

注文は株数、価格など条件を入力するだけ

 注文ではまず株数を入力します。

 価格は指値と成行から選ぶのが基本なのですが、SBI証券の場合には逆指値という選択肢も加わっています

 指値を選んだら、希望する価格を入力してください。

 成行の場合は「価格はいくらでも買う」という意思表示ですから価格の指定はできません。

 また、指値と成行では条件を選択できるようになっていますが選択肢は別記事でお示しした通りの注文となっています。寄付き(その日の取引時間内の最初に成立する取引)だけ有効にしたり大引け(その日の取引時間内の最後に成立する取引)だけ有効にしたりという条件付けができます。 選択肢を「なし」のままにすると通常の指値、成行注文になります

 逆指値については別の記事で説明します。

 期間については「当日中」を選択するとその日に約定しなければその注文は失効します。

 期間を指定すると、その期間中注文は有効になります

 預かり区分は通常、自分が申し込んだ区分が選択されているはずです。

 以上のことを確認したら取引パスワードを入れてボタンを押すと、内容確認を求める画面が出てきます。内容をもう度確認したら注文執行のボタンを押します。そうすると注文が市場に流されます。

 そのあと、「取消・訂正」の画面を見てもう度注文内容を確認してみましょう。株数値段など大丈夫でしょうか。もし間違っていたらその画面から取消か訂正を行ってくださいもし取消・訂正」画面に注文内容が出てこなから、それは約定してしまっているということになるのでその場合には口座残高を確認し、もし間違いがあったら反対売買するしかありません

 また「注文照会」の画面では注文中の内容や約定した内容などがすべて確認できます。

 

 

* 誤発注にはくれぐれも注意しましょう。[売り」「買い」の別は間違っていませんか。そして何よりも、株数はよく確認しましょう01つ多いだけでまったく違う株数になってしまいます。注文を流した後に「取訂正」か「注文照会」画面を確認するのは基本動作として習慣け、自分の指に覚え込ませるように意識しましょう